★アウグストゥスはカリギュラのひいじいちゃん
↑ 歴史苦手な方、今回の記事はややこしい名前がいっぱい。???になってもOK。 「カリギュラはローマ初代皇帝のひ孫」、これさえわかってればいいのです。 カエサルが礎を築いたローマ帝国の初代皇帝となったアウグストゥス(オクタヴィアヌス)。彼は、政治能力にたけ、ローマ市民からの人気も高く、「パクス・ロマーナ」、「ローマによる平和」をもたらした、偉大な英雄です。 自身は共和制を掲げ、一人の権力者による帝政を否定しながら、結果的に帝政は彼の代から本格的に始まることとなります。それゆえに、アウグストゥスはローマ初代皇帝と称されるのです。彼は数々の法律を整備し、警察隊や、消防隊、水道管理官・・・などをおくことを定め、数々の改革をなしとげました。彼自身がよく 「わたしはローマをレンガの街から大理石の街に変えた」言ったほどに、アウグストゥの治世で、ローマは栄えました。そしてそれらを万全に機能するように目を光らせ、比類なきローマ帝国をつくりあげたのです。 そんな彼ですが、きらびやかな才能だけでなく、見た目も美男だったそうです。かのカエサルが、17歳の彼を後継者に指名したのは、美少年だったからだ、と陰口をたたかれ、ブルータスやアントニウスにも、 「勝ち抜いた自信が、生来の美貌を補強したのかと思うほどに、30代に入ってからのほうが「男の美」をより強く感じさせる」 と言わしめたほどの美貌の持ち主。ええですな~。顔が見たい方はこちら。 http://www.vroma.org/images/mcmanus_images/augustuscorona.jpg 話がはずれましたが、偉大なる初代皇帝アウグストゥスですが、ふたつ恵まれなかったものがありました。ひとつは、軍事の才能。ただし、これはアグリッパという平民出身の非常に有能な右腕の部下により、すべてカバーできました。アグリッパは、最強の右腕、と塩野七生さんも著書でのべておられます。 もうひとつ恵まれなかったのは、血のつながった後継者です。ここからがカリギュラに関係するので、興味のある方は、脳内を研ぎ澄ませて読んでください。ややこしいです(笑) まず、アウグストゥスには妻がおりました。リヴィアと言います。アウグストゥス自身が、少子化対策のために定めた法律なのですが、当時は結婚相手としか肉体関係をもってはいけないと決められており(奴隷と娼婦はのぞく)、そのため、気に入った相手ができたら、前妻と離婚して、新しい女と結婚する、という形がとられていました。カエサルなんか、山のように愛人がいたらしいですがね(笑)とにかく、アウグストゥスの時代には、愛人のかわりに、結婚離婚が、数回続くのは当たり前・・となったのです。 妊娠中のしかもすでに一人子供がいるリヴィアを見初めたアウグストゥス。リヴィアの夫、テイベリウス・クラウディウス・ネロにかけあって、リヴィアを離婚してもらい、自分の妻にします。連れ子の息子はティベリウス。再婚して数ヵ月後に生まれた息子がドルーススです。 彼は、愛するリヴィアの連れ子を実子同然に可愛がり、後継者にしようと考えていました。とくに、明朗闊達な弟のドルーススの才能を愛し、彼を後継者に・・と考えていたのですが、このドルーススは落馬事故が元でなくなってしまいます。 アウグストゥスは、連れ子の兄、ティベリウスをイマイチ気に入っていませんでした。ティベリウスは文武両道にたけた人物でしたが、性格が陰湿で内気だったからです。 そこで、前妻との間にうまれている娘、ユリアになんとか後継者を・・・と自分の右腕あるアグリッパと結婚させたところ、子供が5人生まれました。アグリッパはアウグストゥスの政治、軍事の右腕だけでなく、後継者づくりまでもが、右腕だったのです(笑) 男3人、女2人と孫に恵まれたアウグストゥス。孫の成長を楽しみにしていたのですが、お気に入りの男子ふたりは戦争がもととなった傷で死亡したり、ひとりは性格がどうも粗野で問題があり追放となったりと、男の子の孫にも恵まれなかったのです。 そんななか、娘孫であるアグリッピナは、アウグストゥスの愛した妻リヴィアの連れ子で落馬事故でなくなったドルーススの息子、ゲルマニクスと結婚します。このふたりこそが、カリギュラの両親です。そして、カリギュラのおじいちゃんはアグリッパ、おばあちゃんユリアの父がアウグストゥスということで、カリギュラは偉大なる初代皇帝のひ孫という、高貴な血筋の生まれなのです。 血はつながっていないものの、お気に入りの息子ドルースス(連れ子弟)にも死なれ、ふたりの男の孫まで失ったアウグストゥスは、仕方なく、あまり気に入っていない、妻の連れ子の兄ティベリウスを後継者に指名します。そう、2代目皇帝はティベリウスです。 アウグストゥスは、自分の右腕アグリッパと結婚していたものの、アグリッパに先立たれ未亡人となっていた実の娘、ユリアをまたもやティベリウスと結婚させます。そして、自分の後継者となる条件として、ティベリウスにとっては甥となる、弟ドルーススの息子、ゲルマニクスを養子にさせるのです。 ゲルマニクスは、軍事にも才能がありましたが、教養もあり、明朗闊達な性格で人気がありました。そんなゲルマニクスに、いつも明朗な弟と比べられてきたティベリウスは、惨めな子供時代を思い出したのか、ゲルマニクスをオリエントの属州の総監に任命して、ローマから追い出します。結果、ゲルマニクスはシリアで死んでしまうのです。今となっては、かれは病死である可能性が高いとされていますが、妻アグリッピナ(アウグストゥスの孫娘)は、ティベリウスが夫ゲルマニクスを毒殺したと思い込み、その後の人生は、ティベリウスを恨んで過ごすのです。 ちなみに、ゲルマニクスは現在のドイツであるゲルマニアに赴任していたことがあり、カリギュラはその2年前に生まれた子供です。よちよち歩きのカリギュラのために軍靴(カリグラ)を兵士たちが作ってやり、とても可愛がっていたそうです。それで、愛称が「カリグラ(カリギュラ)」となったのですが、実際の名前はガイウス・カエサルです。 ★★★★★★ さあ~やっとカリギュラが出てきましたね。こんな長い血縁関係を説明する意味があるのか!?とお思いでしょう。ちょっと関係あると思うんです。だから、わざと説明しました。次回はティベリウスについて、ちょろっと説明して、いよいよカリギュラについてです!
by pukapuyajiri
| 2007-10-13 04:02
| カリギュラ
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