★ 浪費の限りをつくすカリギュラ。そして浪費の果てに行き着いたのは、皇帝の私有財産と国家の財政破綻。若き皇帝はどのような末路をたどることになるのか・・・
皇帝に即位して3年で、ティベリウスが残した莫大な黒字予算を、当の昔に使い果たしたカリギュラ。その後はなんとかやりくりして穴を埋めていたのですが、それも治世が3年目に近づくころともなると、やりくりの手段も尽きてしまったようです。 国庫を潤わせるのに手っ取り早いのは増税です。彼にとって痛かったのは、就任当時の熱狂的な歓迎のなか、人気取りのために、1パーセントの売上税(消費税のようなもの)を廃止していたことでしょう。というのも、70年間続いている平和と、その間になされた帝国全域をおおう「インフラ整備」と、共和制時代からのローマの統治の特色である、各民族各都市に大幅な自主権を与えるとした統治の原則が、経済力の向上として現れており、カリギュラの寂しいふところとは裏腹に、帝国は繁栄の一語につきたのです。 経済の成長をもっとも正直に反映する売り上げ税を、廃止にしていなければ、自然増収にまかせていても、勝手に国庫に金は入ってきたはずなのですが、もう時は遅し・・でした。 そこで、彼が金策としてまず行ったのは、皇帝一家の家具調度類や、宝飾品から使用人の奴隷などを競売にだすことでした。さすがにローマでこれをやるのは恥ずかしかったのか、わざわざ遠く離れた属州リヨン(現在のフランス)まで運んでいって、そこで競売にかけています。わざわざアルプスをこえてリヨンまで運んだ甲斐あって、ガリア(フランス)中から、人々が馳せ参じて、偉大なる初代皇帝アウグストゥスの使っていた寝台などを競売で落札させたのです。そこに横になった人は、果たしてどのような気持ちになったことでしょうか・・・・ そして属州税を増税すると、さすがに属州民の蜂起をまねきかねないと諦めましたが、そのかわり、属州税がこれ以上減らないようにしました。というのは、ローマ市民になってしまえば属州税は支払わなくてもすむので、ローマ市民権取得を許可しなくなたのです。それまでは、属州民でも、ひとりが市民権を獲得すれば、家族親族にも適応されていたのを、直径の息子以外のものには不許可となったので、それに不満なものは、カエサルやアウグストゥスが与えた市民権の「ディプロマ」(証明書)を示して抗議しました。が、カリギュラは、そんな古い証書は無効だといって受け付けませんでした。 また、裁判費用にも一定の金額を国におさめると決まっていたのですが、裁判を途中でやめたときには支払いはせずにすみました。それを前払いにして、裁判の帰結にかかわらず、徴収することにしたり、売春業者や娼婦の稼ぎの何パーセントかを税として徴収することにしたり、荷運び人夫にも、市内で売られる燃料にも税金を課すことしました。 そのほか、後世の歴史家スヴェトニウスは、カリギュラの金策として、面白おかしいエピソード(国営の売春宿を宮殿内に作らせ、妹さえもそこで働かせて、売春婦をさせたなど)を紹介してますが、塩野さんは著書の中で、うわさに尾ひれがついて広まったものを、100年近くもあとになってスヴェトニウスが拾い集めたたぐいに違いない、と判断していらっしゃるようです。 しかし、遺言書に国が介入したというのは、十分ありえる金策ではあったかと書いておられます。遺産の相続人の中に、カリギュラの名前を加えることを強要したとされており、その相続する資産の中には、現金に加えて、奴隷や、剣闘士などの人的な資産、不動産資産なども含まれており、それらを競売して現金化することも忘れなかったとか。 そして、これがローマ市民のカリギュラ信仰を劇的にクールダウンさせてしまったのです。娼婦や荷運び人夫に税が課せられても、ローマ市民にはあまり関係のない話ですが、遺言書への介入や、燃料税は、ローマ市民のふところを痛ませるのです。今まで同じように、パン(食料)とサーカス(娯楽)の無料配給は続いていたにもかかわらず、市民のカリギュラへの支持は下がる一方となっていったのでした。 さて、金欠状態を解決するためか、軍事上の栄誉を求めるためか、ブリタニア(イギリス)侵攻に目を向けたカリギュラ。実は以前にもゲルマニクスの息子として、華々しくゲルマニアを征服しよう、と思ったのか、ライン川の前線を訪問しにでかけた時期もありました。しかし、前線の司令官に説得されたのか、戦争を始めることはせず、大幅な軍事演習だけをして、帰ってきたことがあります。 今回も、ブリタニアを属州化することで入ってくる属州税に目をつけたのかわかりませんが、とにかく、ドーバー海峡を隔ているため、ほっておいても差し支えないブリタニアは、カエサルが一度手をつけて以来、100年近く放置されたままでした。一応、ブリタニア内での部族抗争で、一部の人間がローマ帝国の介入を請いにきたりはしていましたが、今までは無視していました。それをどのような気持ちで、急にブリタニア侵攻を思い立ったのか・・・まさに皇帝の気まぐれでしょうか。 そして、ドーバー海峡を前にして、やはりこちらも前線の司令官に、今の兵力、予算で十分な戦争はできない、勝利の後の戦利品よりも、先立つものがないと、戦争はできないということを教えてもらったのでしょうか。またもやカリギュラはドーバー海峡もまえに、派手な軍事デモストレーションだけ実行して、ローマに戻ることにするのです。「閲兵式のためだけに北部ガリアまでつれてこられた兵士たちは、何もすることがなく砂浜に散る貝を拾うしかなかった」というエピソードだけを残して・・・( ̄▽ ̄;) ローマに戻ったカリギュラは28歳の誕生日にあわせて、略式の凱旋式(?なんの凱旋なのか(笑))をあげ、7ヶ月にわたった属州巡行でまねいた金欠状態のさらなる悪化をとどめるべく、更なる金策をたちあげます。 それは、もっとも手っ取り早い方法でした。裕福な人たちから、根こそぎ財産をとりあげる方法。つまり、「国家反逆罪法」で、適当な理由で罪人とし、流刑や死刑にして、財産をものにするのです。そして、裕福な人とは、元老院議員でした。そう、ティベリウスの晩年の恐怖政治の再来です。自分の身を守るために、他者を密告。時には親子で密告しあうはめになったほど。 元老院議員のみならず、その目は親族や、自分の旧知の人間にも向けられます。カリギュラ暗殺の陰謀をめぐらせたといい、妹二人も流刑、死んだ妹ドリュッシラの元夫や、高地ゲルマニア軍団の司令官ゲトゥリクスも自殺を強要され、いままではなんとか表面上は協調関係を維持してきた元老院とカリギュラは、完全に対決ムードになりました。そして自分たちとは無縁の特権階級が打撃をうけるのは歓迎するような一般庶民でさえも、あまりの痛ましい「国家反逆罪法」の乱発ぶりに、同情するようになってきたのです。彼の支持はもはや地に落ちたといえるでしょう。 #
by pukapuyajiri
| 2007-10-31 05:04
| カリギュラ
本当は今日レッスンする予定だった、メロンパン。前日にキャンセルのメールが入ってたので、昨晩焼いていろいろチェックするのではなく、今日の午前中にゆっくりと焼きました~♪ 実はね、はじめての試みで、発酵バターでクッキー生地をつくってみました。セブイレブンのメロンパンが、発酵バター入りって書いてあるし、クロワッサンとかも発酵バターでつくるし、けっこう美味しいんじゃないかと。 結果は、焼いてるときのヨーグルトみたいなほんのり甘酸っぱい香りが違う。味は・・・ちょっと違うような気もするけど、よくわかんない( ̄▽ ̄;) あんまり敏感じゃないみたい、わたし(笑) とはいえ、美味しくできたし、レモンオイルをメロンパンに使うぽっちりのメロンパンとは相性良しです( ̄▽ ̄)V こちらは6分割してつくったミニメロンパン。今からお友達の家に、勉強机を見に行くので、手土産にもっていきま~す うちのメロンパンは上にグラニュー糖をまぶしつけます。このときの作業、けっこう好き♪ やっぱ、自由時間が多いと、ゆっくりできるな~。今日はだいぶリラックスできた~ 忙しいと、なんだか、疲れてイライラしちゃうしね。元気回復! #
by pukapuyajiri
| 2007-10-30 13:37
| パン作り
しばらくパンの記事を書いてませんでしたが、まとめてアップしま~す
まずはハチミツくるみちぎりパン。本当は今日、レッスン予定だったのですが、今日はふたりとも体調が悪いということでキャンセル。なにげに風邪がはやり始めているようです。 アイシングははちみつと粉砂糖を1対1でまぜるだけ。これをかけると一気にハチミツの 風味がます!そしてカロリーも・・・( ̄▽ ̄;) そして、こちらはまたもやうまくいかなかった胚芽角食・・・(>_<) どうもこのレシピとは相性が悪いのか、それとも1.5斤の私のもっている型と、このレシピの粉の量がちょっと相性わるいのかも。 今度型の容量をしっかりと調べてから、レシピを調整して焼いてみることにしよう・・・ 胚芽食パンはこんな感じで、食べると美味しさ倍増。ちゃんとしたサンドイッチを朝から作ると大変なので、これをばたんと二つ折りにして食べてもらいました( ̄▽ ̄)V #
by pukapuyajiri
| 2007-10-30 13:28
| パン作り
終わりましたね~スケートアメリカ。終わってみれば女子は総合が
1、キミー・マイズナー アメリカ 2、安藤美姫 日本 3、キャロライン・ジャン アメリカ と、予想通りの3人でした。ミキティは、カルメンを踊ったフリーは1位だったけど、キミーもほとんど変わらない点数だったこともあり、ショートの貯金もあって、キミーの優勝!これは納得です。 カルメン、思ってた以上によいプログラムで、今のミキティにはぴったりではないかと。 彼女自身も言っているように、まさに「滑り込みがたりない」という印象をうけるできでした。でも、けっして悪くない出来だったと思います。ただ、全体に、覇気が足りないし、プログラムに情感をこめるにいたれてない。表情も、体の動きも、体からにじみでるオーラも、本気の体調がよい彼女ならもっともっと良いものができるはず。でも、体調がよくないし、プログラム作りも遅れていて、あまり練習できていなかった、ということを聞くと、今回の結果は妥当なものでしょう。 そして、キミー。フリーは、すごくいい出来でもなかったけど、なかなか雰囲気のある良いプログラムだったように思います。個人的に、彼女の成長には目を見張るものがあります。キミーは、まさにミキティ、真央ちゃん世代なのですが、世界ジュニアでは、いつもこの日本人二人にタイトルを阻まれている中で、シニアにあがりました。サーシャ・コーエンが事実上の引退?休養?っとなった中で、今ではアメリカのエースとなったキミー。2006年の世界選手権で、見事優勝した、才能あふれる子です。 でもね、あの世界選手権は、トリノのメダルをとった荒川さん、スルツカヤが出場せず、銀メダルのサーシャ・コーエンは、オリンピックの悔しい気持ちから切り替えられなかったのか、相変わらずの自爆演技で、世界選手権でも金を逃しちゃって、オリンピックで4位の村主章枝(すぐりふみえ)ちゃんと、キミーの一騎打ちでした。章枝ちゃんもいい演技をして、金メダルも夢ではなかったけど、その夢をうちくだいたのがキミー。3-3ジャンプを確か2度決めた上で、最後に2-2-2ジャンプも決めて、オリンピックでのお子ちゃまな演技がうそのような、神演技で、16才にして金メダルをかっさらっていったのです。章枝ちゃんびいきの、ぽっちりは残念でしたが、それぐらいあのときの彼女は良かった。 反対に言ったら、それまでは大したオーラのない子だったのです。器用で素直な感じで、実際すごく性格がよく、まじめに練習する子らしいのですが、なんというか地味な感じで、ジャンプは得意だけど、全体に回転不足気味で、真央ちゃんやミキティほど、突き抜けたジャンプのよさがあるわけでもなく、体は硬いので、柔軟系のスパイラルやスピンもできないし、なんとなく決め手にかける印象でした。そして、いい子なイメージ、清楚な外見がまた、あくの強い演技や、妖艶な濃さを演出するのに妨げてる感じで・・・・ そして、今期。ショートも、フリーも、彼女は、今までのいい子ちゃんで清楚で、ジャンプはけっこう上手で、あとはそこそこ・・・・という地味なスケーターではなく、確実に、観客の目を引く、素敵なオーラを身にまとっていたと思います。体が硬いのはどうしようもないけど、その中で、たくさんのエレメンツ(要素)をこなし、確実に世界のトップスケーターとしての風格があった。 そんな彼女の始めてのグランプリシーズの優勝、心からお祝いしたいと思います! そして、キャロライン・ジャン。彼女のあの彼女にしかできないパールスピン。いつみても圧巻。鳥肌もんですね。 フリーは全体的にすごく良かった。彼女のはじけるような若いエナジーも伝わったし、ジャンプもほぼしっかりと降りれていた。スピンもスパイラルも素晴らしい。でもなぜあんなに、お姉さまふたりに差をつけられたのか? それは、彼女のジャンプが、ことごとく回転不足と判断され、3-3ジャンプのはずが、2-3だったり、エッジの使いかたが、間違っている(これについてはいつか詳しく説明します・・・)などで、ジャンプの基礎点数から減点されてしまったから。 もちろん、ミキティもキミーも減点されているのですが、キャロラインはなんといってもまだ14歳。お姉さまたちほどPCSという項目で高得点がのぞめないなか、ジャンプで思ったより点数稼げなかったのです。 彼女たち点数の詳細をくわしくみたいかたはこちらにどうぞ。 http://www.isufs.org/results/gpusa07/ 右端のjudges scoreをクリックすれば、詳細が見れます。ただし、フィギュアの用語にある程度詳しくないと、チンプンカンプンだろうけど( ̄▽ ̄;) あ~!さらっと書いて、さっさと寝るつもりだったのに、またいろいろ書いちゃった・・・ 最近ちょいと多忙なんで、カリギュラの最後の記事がまだかけてませんが、絶対10月中に書きますね。自分で自分にプレッシャーかけておきます(笑)パンも、作るにはいろいろと作ってるけど、こちらもまたまとめて掲載しますわ~ ではでは、おやすみなさいませ・・・・ #
by pukapuyajiri
| 2007-10-29 22:30
| フィギュアスケート
フリーで2位となったものの、高橋大輔くん、見事にグランプリシリーズ初戦のアメリカ大会で優勝!おめでとう~♪♪♪
地上波の放映ではありがちな、男子の扱いのひどさにより、3位のパトリック・チャン選手の演技は見れず( ̄▽ ̄;) でも、点数をみると、けっこう良い演技だったんだろうけど・・・見たかったな~。 フリーで1位になったものの、ショートの転倒が尾をひいて、大ちゃんに及ばなかった、アメリカのエヴァン・ライサチェッく選手。私にとっては、トリノのプルシェンコのイメージが強い、トスカのドラマチックな音楽にあわせて、すばらしい演技でした!やっぱ彼はフリーが強い。そして、ショートが・・・・( ̄▽ ̄;) ステップなどの、フットワークには大ちゃんには及ばないけどやはり彼は一流のスケーターだな、って今日,改めて思いましたわん。 そして大ちゃん!4トーループを決めたときは、よし!って思ったけど、次のアクセルで転倒・・・( ̄▽ ̄;) 後半も、3-3ジャンプを決めたり、おおいいぞ!って思ってたら、ルッツで転倒・・・ でも、2回の転倒をおぎなってあまりある、フットワークのすばらしさで、表現スコアもばっちりでて、ショートの貯金もあり、見事優勝!おめでとう! でもね、個人的には、あの衣装はちょっと笑える。ハートに剣がささってるようなあの刺繍がどうもあまり洗練されてないというか・・・ あと、後半のジャンプが続くところの音楽が、やっぱりやかましすぎるな~。あそこがもう少しおさえめの曲のパートだと、ステップのところで、ぐわ~っと盛り上がると思うんだけど・・・後半はずっとイケイケどんどんな曲調で、ちょっと単調に思えちゃいました。 そして、女子ショート。 思ったとおり、キミー・マイズナー、安藤ミキティ、キャロライン・ジャンがトップ3に来ましたね! ミキティの髪のおだんごのひらひら、可愛い♪衣装も、エキゾチックで好きです。ステップでこけちゃったけど、そのほかはまあまあだったのでは。でも、表情がイキイキしてないな~って思っちゃいました。女子では世界で恐らく彼女しかできない、3ルッツー3ループが見たかったけど、セカンドジャンプは2ループになってましたね。(真央ちゃんは3フリップー3ループ、ユナ・キムちゃんは、3フリップー3トーループ)まあ、コンビネーションが入らないのが一番きついので、安全策をとったモロゾフコーチは正解だったと思います。 思った以上によかったのが、キミー!衣装も好み~、曲もいいし、プログラムもよく考えられてる。今年のキミー、例年以上に強敵になりそうです! そして、キャロライン。彼女はフットワークや、ステップ、体の動きなど、まだまだシニアのお姉さんには勝てない部分があるけど、なんといってもあのスピンはすごい!そして、回転不足だったとはいえ、3-3ジャンプももってるし、本当にこれからが楽しみです♪ ただ、スパイラルの時の流し目は、やはりユナ・キムちゃんには及ばないというか・・(笑) そもそもユナ・キムちゃんが、小さいときから妖艶すぎるんだけど、やっぱキャロラインは可愛い系の顔立ちだし、そういう意味では、今回のショートのスパニッシュジプシーは、まだセクシーになりきれない、シニアデビューの14歳には、少し妖艶さが足りないかもね。 キャロライン・ジャンのこれからの成長が楽しみでしかたないわ~。 さあ、今日の夜も見逃せない~ #
by pukapuyajiri
| 2007-10-29 03:08
| フィギュアスケート
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